「お前は国民の敵だ」と、自衛官から罵声を受けたと主張する小西ひろゆき参議院議員。
この話題、
「国民の敵」という強烈なフレーズに加えて、現職の自衛官が発言したこと
そして、「騒ぎ立ててるお前(小西議員)こそ「国民の敵」!」と、強烈なブーメランが飛び交っていますね。
もしかしたら今年の流行語大賞候補になるのでは?!
っていうくらいの勢いです。
この出来事で小西議員は自衛官や防衛省を批判しまくってますが、自衛官の言い分が好評されたことで状況は一転。
「国民の敵」発言は小西議員の捏造では?
という疑惑が強まってきました。
自衛官の供述と小西議員の言い分がだいぶ食い違ってるのですが、まずは両方の言い分を見てみましょう~。
小西議員「国民の敵と繰り返し罵倒された」

出典
問題が公になったのは4月17日に行われた参院外交防衛委員会。
民進党の小西議員は、4月16日の午後9時頃、国会議事堂付近で、現職の自衛官に「お前は国民の敵だと繰り返し罵倒を受けた」と述べました。
どんな状況だったのか、小西議員の説明をまとめてみると
・自衛官は「国民の敵だ」といったような発言を繰り返した
・警察官が来た後も発言を繰り返した
・自衛官の発言としては法令に抵触するのでは、と諭したにもかかわらず発言を繰り返した
・発言をやめなかったり撤回しないのであれば防衛省の人事当局に通報すると警告。
自衛官はそれでもやめなかったため通報した
・自衛官は発言を撤回すると態度を改めたためその場は終わった
・その後警察から連絡が来て、罵倒したのは同省統合幕僚監部の30代の幹部自衛官だったことを知る
・氏名は聞いているがここでは公表しない
・防衛省が調査をすると明言
小西議員は防衛省の対応を評価しているとしていました。
でも、自衛官が統合幕僚監部に所属しているということで、それを「イラク日報隠蔽事件(事件って言ってるけど、事件?)」にこじつけ始めたんです。
・統合幕僚監部は日報を隠蔽したことで責任を問われている
・自衛隊の頂点に立っているのは「シビリアンコントロール」
・2.26事件、5.15事件がでは、軍が「お前は国民の敵だ」「問題無用」といって事件を起こした
・初めは武士の情けで問題を大きくしないと思っていたが、防衛省の置かれている状態や、自衛官の所属部署を考えたら、国民を代表する政治家として質疑することを決めた
ここまでくるとこじつけ感が漂うのですが~。
小西議員が問題視しているのは、現職の自衛官が政治家に向かってそういった言葉を浴びせるのは、法令に反しているのではないかということ。
この問題で「シビリアンコントロール」という言葉が出てきますが、これは「文民統制」のことですね。
簡単に言うと、文民(政治家)が軍隊を統制する仕組みですが、その政治家に向かって罵倒するということが問題になっているというのです。
小西議員は
・自衛官が政治家に向かって「国民の敵」発言をする
・シビリアンコントロールや過去の事件を引用しても態度を改めなかった
・自衛官が所属しているのは統合幕僚監部で、その行動が問題視されている
・この問題を放っておいたら民主主義国家としての体制が崩れる
という自衛官の態度に危機感を持ち、問題を明るみにすることと決めたということですね。
この人が「武士の情け」を使うととても軽々しく聞こえるのですが、所属部を聞いて態度を変える、というのがちょっと腑に落ちませんね。
こんなふうに自衛官の「国民の敵」発言を強調していた小西議員でしたが、その後に公表された自衛官の言い分でその証言に大きな疑惑がでてきました!
自衛官「国民の敵とは発言していない」

出典
4月24日、調査を続けていた防衛省は、中間報告として自衛官の言い分を公表しました。
産経新聞電子版に全文載ってます。
長いので要点まとめてみますね。
・国会議事堂の周りを走っていたら小西議員を見かけた
・小西議員に対して日頃から「総合的に政府・自衛隊が進めようとしている方向とは違う方向での対応が多いという全体的なイメージ」を持っていた
・小西議員に軽く会釈された時、「国のために働け」と、聞こえるように言ってしまった
・小西議員が「日本国民を戦死させるわけにいかない、そのために働いている」と返答した
・「戦死」という言葉が軽々しく使われたように感じたので
「俺は自衛官だ。あなたがやっていることは、日本の国益を損なうことじゃないか。戦争になったときに現場にまず行くのは、われわれだ。その自衛官が、あなたがやっていることは、国民の命を守るとか、そういったこととは逆行しているように見えるんだ。東大まで出て、こんな活動しかできないなんてばかなのか」
(引用)
と、ムキになって言ってしまった。
・小西議員が近づいてきて、「自衛官としての今の発言は法令に反する」と言い出した。
・小西議員に名前と所属先を聞かれたが拒んだため、小西議員が防衛省人事局に電話をかける。
・その場を去ろうとしたら、小西議員が近くにいた警察官を呼び止めたため、その場にとどまる。
・一国民としての意見を言ったまでと主張する自衛官の言うことを聞かない、自衛官が駆け出さないように距離を縮める、といった小西議員の行為に
「あなたはなんで権力をかさに着るようなことをするんですか。国会議員だったら、一国民が言っていることをちゃんと聞くぐらい、いいじゃないですか。本当にそういう行為(人の話を聞かない、すぐ通報する、すぐ警察を呼ぶという男らしくない行為)が気持ち悪い」
(引用)
と言った。
・駆けつけた警察官たちに、小西議員が「自衛官が国のために働けと罵る」と訴えていた。
・警察官に事情を説明した後、小西議員に謝罪すると決め、警察官に中を取り持ってもらう。
そこで小西議員が
あなたのさっきのような、人格を否定するような罵ったところとか、私の政治活動を冒涜するようなこととか、そういったところを謝罪してもらえるんだったら、特に防衛省に通報したりとか、そういうことはしないから」
(引用)
と言った。
・「ばか」「気持ち悪い」と言ったことに対して謝罪する。
・小西議員が自分の政治理念や5.15事件などのことを自衛官に話す。自衛官は、「勉強になりました」と答えた。
・小西議員から自衛官に握手を求め「日本のために一緒にがんばりましょう」と言葉をかける
できたら記事全文読んでほしいです。
現場を想像して笑っちゃうところもあったんですが(不謹慎かな、すみません)
いかにこの自衛官が自分の仕事に真面目に取り組んでいて、実直な人だということがわかります。
自分のことを自衛官と名乗ったのに「一国民としての意見」というのはちょっと無理があるんじゃ
「ばか」「気持ち悪い」は言いすぎかな
ちょっとムキになりやすい面もあるんじゃないかな
と、突っ込みたくなるところもあるけど、「国民の敵」と一言も言っていないし、罵倒していた様子もない。
小西議員が報告したのとだいぶ食い違ってませんか?
しかも、握手を求めたのは小西議員のほうですし、そこで丸く収まってる。
でも小西議員は「国民の敵だ」と罵倒されたと騒いでいる。
「国民の敵」にこだわってるのはコニタンの方
自衛官の供述を公表した後、小西議員は、こんな記事を投稿しています。今度は組織的な隠蔽だそうです。
やれやれ、どうしてそこまで「国民の敵」発言にこだわるのでしょうか。
参院外交防衛委員会と、自衛官に対して小西議員は、2.26事件と5.15事件を引き合いに出しています。
【2.26事件について】
【5.15事件について】
どちらも軍人が政治家に牙を向いた事件ですね。
小西議員によれば、事件を起こした青年将校たちは、政治家を「国民の敵」と呼んだということですが、今回の自衛官の発言は、それを連想させるようで怖いというのです。
当時の青年将校が本当に言ったかどうかはよくわからないのですが(5.15事件を引き起こした将校たちの檄文に「国民の敵既成政党」という文字があります)、2度もこの事件のことを出すということは、小西議員にとって、自衛隊というものはそういう側面を持っている、ということは常に頭の中にあったんだと思います。
その反対に、自衛官はこれらの事件についてはサラッと流していますよね。
なのでもし、自衛官が「国民の敵」と発言したらそのまま供述しているでしょう。
クーデターを起こすために小西議員に向かっていったわけでもないですし、隠す必要ないですから。
安倍首相や自民党に対して「敵」発言していた
小西議員の過去のツイートを見ると、安倍首相や自民党に対して「国民の敵」と認定しているのです。憲法13条「個人の尊厳の尊重」は、憲法が何のために存在するかの、憲法の究極目的そのもの。同条「幸福追求権」は個人の尊厳を実現・確保するための包括的人権。これを全く知らず理解せず、13条を破壊する自民草案を「21世紀に相応しい草案!」と主張する安倍総理は、恐るべき国民の敵なのです。
— 小西ひろゆき (参議院議員) (@konishihiroyuki) 2 May 2015
自民党総裁選は、野田議員の立候補断念で安倍総理が再任決定。中高校生でも分かる明々白々な違憲立法を強行する総理・総裁が続投。自民党はどこへ行くのだろう。安保法制の後はおぞましい自民党憲法草案の世界に突き進むしかないのだろう。もはや自民党は国民の敵となってしまったと言わざるを得ない。
— 小西ひろゆき (参議院議員) (@konishihiroyuki) 8 September 2015
その他にももっと「国民の敵」を使ってツイートしていたのです!
そのツイートを集めたのがこちらのブログ記事。
なにこれ、ひどすぎ!
これからも分かる通り、「国民の敵」という言葉にこだわっていたのは小西議員の方で、今回の自衛官の発言も、
何十年も前の事件と結びつけたかった
これをネタに防衛省に圧力かけちゃおう♪
ついでに倒閣だ~
という、本人の思考回路が見え隠れしています。
政治家vs軍人
というふうに、今も自衛隊のこと見ていたのだろうか。
だとしたら偏見の何者でもありませんよね。
だからこういうツイートができたのか(現在は削除)。
#小西ひろゆき 暴言集①
— ブレードランナー2017 (@bladerunner1985) 2018年4月22日
「自衛隊員は他国の子供を殺傷する恐怖の使徒となる」 pic.twitter.com/2rAAb3gi6N
まとめ
小西議員の言い分と、自衛官の言い分に、大きな食い違いがありました。「国民の敵」発言はあったのだろうか。
どちらを信じるかは私達の勝手ですが、双方の言い分や小西議員の言動を見ていると、私はなかったと思います。
それに、「防衛省には言わないから」「いっしょにがんばろう」といいつつ、手のひらを返したように「国民の敵だと罵られた」とのたまう小西議員。
態度や言ってることをコロコロ変えるこの人の言うことはあまり信用出来ないですね。
自衛官のように、自分の信念に対する覚悟みたいなものが感じられません。
あ、それから、ここでもう一つわかったことがあります。
国民の敵はコニタンの方だ!
政府や与党をあれだけ敵呼ばわりしてますからね。
間違いないですね。
今回は、ということでした!
参考サイト:
https://www.sankei.com/politics/news/151002/plt1510020020-n1.html
http://blogos.com/article/292808/
https://mainichi.jp/articles/20180424/k00/00e/040/277000c
https://www.sankei.com/politics/news/180424/plt1804240032-n1.html
https://mainichi.jp/articles/20180417/k00/00e/010/289000c
http://kishida.biz/column/2003/20030515.html